研究論文・著書

上田真弓代表の主な研究論文・著書についてご紹介いたします。

研究論文

街なかの「個人カフェ」のサードプレイス機能に関する研究(上田真弓博士論文

 本研究は、都市における個人カフェのサードプレイス機能に着目し、その役割と可能性を明らかにすることを目的としています。喫茶店は、従来より人々の交流の場として都市生活において重要な役割を果たしてきました。特に個人が経営する喫茶店は、社会の変化や個人の嗜好に応じて柔軟に変化しながら、文化的・社会的に都市生活を理解するための重要な場であると指摘されています。
 しかしながら、日本における喫茶店数は1980年代の約15万件から2021年には約6万件へと大幅に減少しており、その中でも約7割を占める個人カフェは、1996年の約8万5千件から約4万件へと半減しています。都市における人々の交流が希薄化する中で、地域における交流の場である個人カフェの減少は、地域社会に大きな影響を及ぼす可能性があります。
 このような問題意識のもと、本研究では都市の個人カフェを対象に、①都市生活者にどのような場を提供しているのか、②サードプレイスとしてどのような機能を有しているのかを明らかにします。さらに、その分析を通じて、個人カフェが持つ都市における交流の再生および都市生活の質の向上に寄与する可能性について考察します。

地域コミュニティ拠点の設置と持続的・効率的な運営手法 集客につながるステップとサードプレイス事例(SC JAPAN TODAY 7-8月号, 2023) 上田真弓

 本研究は、地域コミュニティ拠点およびサードプレイスの形成と持続的運営に関する手法と特性を明らかにすることを目的としています。近年、ショッピングセンター等におけるコミュニティ拠点の設置が進められていますが、場所・人材・資金の確保や集客の難しさなどの課題があり、単に空間を設置するだけでは持続的な運営は困難であることが指摘されています。
 このような背景のもと、拠点づくりには、地域の実情や住民ニーズの把握、検討体制の構築、段階的なプラン策定、運営体制の整備といったプロセスが重要であり、特に地域における「やる気のある人材」の存在が事業の成否を左右することが示されます。
 さらに、本研究ではフランスのサードプレイスの事例を参照し、単一機能にとどまらず、カフェを核としながらコワーキングスペースやイベント、地域特性に応じた多様なサービスを複合的に提供する点に特徴があることを明らかにしています。これにより、人々が日常的・非日常的に集い、交流を生み出す場が形成されていることが確認されます。
 

サードプレイスの2つの機能に着目した街なかのカフェの効用(地域活性研究 Vol.19)上田真弓, 明石達生, 池田菜美

 本研究は、街なかのカフェが有するサードプレイスとしての機能を利用者にとっての①「交流の場」②「心の拠り所」の2つの観点から捉え直し、利用者の意識と心の状態から以下の事を解き明かしました。

①カフェを交流の場として利用している人と特定のカフェを心の拠り所としている人はどちらも4割前後でした。
②カフェを仲間との交流の場や心の拠り所とする人は、心の健康状態が顕著に良好でした。特にカフェを心の拠り所とする人は、ウェルビーイングの計測値が顕著に高い傾向にありました。
➂カフェを仲間と交流する場に利用している人は、地域の愛着度が顕著に高く良好な人間関係を形成していました。また自己肯定感も高く幸福感の高い生活を送る傾向がありました。

コロナ下における街なかのサードプレイスとしての「個人カフェ」の変化(地域活性研究 Vol.17)上田真弓, 明石達生

本研究は、街なかの個人カフェを対象に、コロナ禍により「人との対面交流」が抑制されたという未曽有の状況下で、「サードプレイス」(家と職場以外の第3の居場所・交流の場)機能がどのように影響を受けたかを解き明かすことを目的としています。筆者らは、コロナ前の通常の状況と、緊急事態宣言の発令期間中における変化を調査した結果、サードプレイス機能のタイプのうち、日常の交流は大幅に減少したが常連客が店を支える動きが見られたこと、マイプレイス型ではオンライン会議など職場の代替的利用も見られたこと、イベント交流はほぼ停止したが、常連客が個人作品を展示するなどの「非集合型イベント」が継続したことなどを明らかにしました。

著書

「中国人観光客が飛んでくる!(毎日コミュニケーションズ)」 上田真弓・池田浩一郎

(出版社より)外国人観光客を日本に呼び込もうという動きは「インバウンド観光」と呼ばれています。
日本では、小泉政権下で「ビジット・ジャパン・キャンペーン」がスタート。インバウンド観光事業はここ数年で加速してきました。
その中でも、中国人観光客を対象とした市場は、日本ではまだまだ未開拓で競合も少ないです。
 本書では、この新しい市場に取り組みたい人、単純に状況を知りたい人向けに、これまでの中国人観光客の傾向と、これから日本を訪れる中国人観光客の傾向を分析します。
この新しい市場に向けて一歩を踏み出すための参考として、読んでおきたい一冊です。

「ファン・マーケティング: Web2.0時代のマーケティング戦略」((株)マイナビ出版)上田真弓

(出版社より)消費者が多様化・細分化するなかで、伝統的なマーケティング手法が効果的でなくなった今、本書では消費者に会社や商品の「ファン」になってもらう、「ファン・マーケティング」について解説します。
 本書では、注目されるSNSについてその背景と理由を述べた後、企業や自治体もSNSやコミュニティに注目しているという状況やその理由について解説します。そして、ファン・マーケティングとは何か、について解説を行い、「ファン・コミュニティ」を5つのタイプに分類し、それぞれ成功しているファン・コミュニティの共通要素について説明します。そして、実際のファン・コミュニティの構築のポイントや、コミュニティを盛り上げるための仕組みづくりについて解説します。最後に、ファン・コミュニティにおける課題と今後の可能性について解説します。

「売れる仕組みを作るケータイ徹底活用法: モバイルビジネス最前線」(中央経済グループパブリッシング)竹安数博、小野彰、上田真弓

 本書は携帯電話が出始めた黎明期の書籍であり、ビジネスモデルがまだ手探りの状況の中、ケータイの可能性について研究を行った結果をまとめたものです。すでに実現されているサービスモデルが多く、時代の流れを感じます。